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- かんもくネットについて|かんもくネット
代表のごあいさつ かんもくネットは場面緘黙(選択性緘黙)の症状がある子どもや大人、経験者、家族、教師、専門家が協力しあい、活発な情報交換と正しい理解の促進をめざす、非営利の任意団体です。 この会は、場面緘黙症Journal(SMJ)の掲示板で、緘黙児を持つ保護者と臨床心理士が2006年夏から情報交換を始めたことをきっかけに、2007年4月に誕生しました。様々な知識や実践を情報交換していくうちに、もっと多くの方に場面緘黙を知ってもらいたい、もっと情報交換の場を広げていきたい、もっと幼稚園・保育園や学校に理解してもらいたい、そんな思いがふくらんで、この会はスタートしました。 場面緘黙は、日本では認知度が低く、誤解も多く、教育現場で十分な理解や支援が得られていません。この会は、場面緘黙に関する情報を社会に提供し、お互いを受け入れ、理解し合えるような社会が実現していけるよう、社会全体の利益の増進に寄与することを目的とします。 皆さまのご理解とご協力をお願い申し上げます。 2007年4月 かんもくネット代表 角田圭子(かくたけいこ) Thanks for the encouragement! ~Knetがいただいた応援メッセージです~ ★ I am pleased to endorse Knet's efforts in the education and promotion of public awareness of Selective Mutism within JAPAN. Children with SM suffer in silence as the world goes on around them... Knet is needed to help those in JAPAN understand these precious children and teens. I commend Knet for their passion in RIDDING the SILENCE of SM. Dr.Elisa Shipon-Blum President & Director Selective Mutism Anxiety Research & Treatment Center(Smart Center) Founder and DIrector Emeritus Selective Mutism Group Childhood Anxiety Network Inc. Clinical Asst. Professor Family Medicine and Psychology PCOM 場面緘黙症についての知識を広め、日本での認知向上を促進しようと活動しているKnetをぜひ応援したく思います。私たちがこうしている間も、場面緘黙症の子どもたちは沈黙の中で苦しんでいます・・・。この子どもたちや若者たちが、日本で理解を得るために、Knetの活動はきっと役立つでしょう。場面緘黙症の”沈黙”の克服に取り組むKnetを、私は推薦します。(2007年5月) エリザ・シポンブラム博士 場面緘黙症不安研究治療センター(SMartセンター)代表・所長 場面緘黙症グループ小児期不安ネットワーク(SMG~CAN)設立者・名誉理事 フィラデルフィア オステパシー医療大学 家庭医学・心理学 臨床助教授 ★ SMIRA is a UK-based parent support group and is highly respected in the field of Selective Mutism. We are very happy to share our information with Knet and support them in this new venture. We wish them well. Lindsay Whittington Co-ordinator, Selective Mutism Information & Research Association (SMIRA) 場面緘黙症分野において高い評価を得ているSMIRAは、イギリスを拠点に活動する緘黙児の保護者のためのサポートグループです。当グループはKnetの新しい活動をサポートし、情報の提供を惜しみません。(2007年4月) リンゼイ・ウィティントン 場面緘黙症情報研究協会(SMIRA) コーディネーター
- リンク | かんもくネット
日本の関連団体や個人のサイト ■場面緘黙症Journal(SMJ) 場面緘黙について幅広い情報を発信しているサイト。場面緘黙経験者の富重さんが管理。 2007年かんもくネットはSMJ掲示板で生まれました。 ■場面緘黙について考える-備忘録- イギリス在住の元緘黙児の母親(Knet事務局のみく)による個人ブログ。 イギリスの支援団体SMIRAの最新情報をはじめ、日英の支援や治療法の比較などを紹介。 ■学校で話せない子ども達のために 場面緘黙理解のための絵本を公開しているサイト。 ■日本場面緘黙研究会 かんもくネット事務局メンバーも理事として参加している会です。 ■場面緘黙関連団体連合会 かんもくネットも参加している複数団体が加盟する団体。 場面緘黙の診断名の改善や社会的制度等の改善を図るために2018年に結成しました。 親の会や当事者団体など ■一般社団法人 かんもくOKINAWA ■かんもく奄美 ■かんもくグループ北海道 ■かんもく自助グループ「言の葉の会」 ■場面緘黙を考える会 富山 ■かんもくの会(ASMJ) ■ かんもくの声 (Facebook) ■静岡 場面かんもくの会 ■場面緘黙 親の会 ■つぼみの会(場面緘黙 親の会 関東) ■場面緘黙 親の会ひろしま あゆみの会 ■ 宮古島緘黙っ子の親の会(ゆりの会) ■りんごの会(場面かんもく親の会 長野) ■かんもくマップ 論文研究関連など ■緘黙ブログー不安の心理学、脳科学的知見からー 場面緘黙の症状に詳しい専門家がいる機関 ■かねはら小児科(山口県下関市) 小児科医の金原洋治先生のクリニックです。下関市で「発達支援室ベースキャンプ」を開設し、心理士・作業療法士とともに相談を行っています。 場面緘黙についての、学会発表や講演多数。絵本「なっちゃんの声」医学解説。「どうして声が出ないの?」監修。かんもくネット会員です。 ■尾山台すくすくクリニック (東京都世田谷区) 児童精神科医の新井慎一先生のクリニックです。保護者・教師・精神科医がいっしょに話し合う「かんもくプログラム」を提供。学校に出張して安心レベル、会話状況などをきめ細かくチェックし、その子にあった対応を担任の先生や保護者と話し合います。 ■KBS発達教育支援研究所 特別支援教育の専門家である代表の園山繁樹らが、場面緘黙や自閉スペクトラム症などの支援と研究を行うために設立した機関です。子ども・成人への相談や支援者向けの専門相談、セミナーを通して発達と教育の支援を提供しています。 その他 ■PCIT‑Japan 親子の相互作用を改善し、子どもの行動や情緒の問題に対する治療的介入である PCIT(Parent‑Child Interaction Therapy:親子相互交流療法)を日本で普及・実践する専門団体。 ■CARE‑Japan 子どもと関わる大人が、より良い関わり方を学ぶための CARE(Child‑Adult Relationship Enhancement)を日本で提供する団体。短時間で参加できる体験的なコミュニケーションスキル向上プログラムを実施している。 ■日本発達障害ネットワーク(JDDnet) ■全国LD親の会(JPALD) ■アスペ・エルデの会 ■そらとも広場 言語聴覚士の中川信子先生のホームページ。言語聴覚士に関連するさまざまな情報を配信。 ■学苑社 障害児教育、福祉の書籍を中心とする出版社です。 海外サイト(Knet資料は、以下の団体等に翻訳と公開許可を得て作成されたものが含まれています。 ■SMart center(スマートセンター) Selective Mutism Anxiety Research and Treatment Center(場面緘黙不安研究治療センター)。場面緘黙ついて研究と治療を行なっている米国の機関。所長はエリザ.シポンブラム博士。 ■Selective Mutism Association 場面緘黙についての情報提供と支援を行なっている米国の団体。 (旧称:SMG~CAN Selective Mutism Group ~ Childhood Anxiety Network) ■Selective Mutism Information & Research Association (SMIRA) he Selective Mutism Information and Research Association(場面緘黙情報研究協会)場面緘黙についてのの情報提供、研究、支援を行なっている英国のチャリティ団体。元医療ソーシャルワーカーの故アリス・スルーキン女史が1992年に創設、現在は放送業界で活躍したビディ・バクスター女子が名誉会長。 ■Kurtz Psychology スティーブン・カーツ博士が率いる、場面緘黙・子どもの不安・行動問題の治療を専門とする心理支援センター。場面緘黙児向けに発展させたPCIT-SMや集中プログラムBrave Buddiesなど、実証的な治療モデルを用いて子どもと家族を支援しています。SM University では無料で 場面緘黙支援の基礎と実践 を学べる。 ■FIU MINT Anxiety Program Florida International University が運営する場面緘黙を含む子どもの不安症に対して、科学的根拠に基づく評価と治療を提供する専門プログラム。家庭・学校・地域と連携しながら段階的曝露を中心とした支援を行う。動画教材も豊富に公開。
- 場面緘黙とは | かんもくネット
場面緘黙とは 家庭ではごく普通に話すことができるのに、幼稚園・保育園や学校などの社会的な場面では声を出したり話したりできない状態が続くことを場面緘黙といいます。話せない場面はさまざまですが、発話のパターンには一定の傾向があり、「場所」「そこにいる人」「活動内容」という3つの要素によって左右されます。 小児期に多い不安症の一つであり、「自分が話す様子を人に聞かれたり見られたりすることへの怖れ」という社交不安を伴うことが多いです。 本人の意思で「話さない」のではなく、「話したくても話せない」状態であることが重要なポイントです。かつては「成長すれば自然に治る」と考えられていましたが、適切な支援がないまま学校生活を送ると、長期的なストレスからうつ的な症状や不登校などの二次的な問題につながることがあります。また、海外の報告では、発話が可能になった後も成人期に社会不安症などの不安症状が残る例が少なくなく、早期の支援が重要であることが指摘されています。 場面緘黙とは 名称について 米国の精神疾患の診断・統計マニュアルDSMでは、1994年に診断名が” elective mutism”から、”selective mutism”に変わりました。”elective”という言葉には、場面緘黙児があたかも特定の場面で話さないことを「選んでいる」ような語感があり、心理学者ですらそう誤解しているような状況が広まっていたためです。 自分の意志で話さないことを選んでいるわけではないことを示すために”selective”という用語が採用されました。 ”selective mutism”の訳語として、日本では 「選択性緘黙」という名称が長い間使用されてきました。しかし「選択性」という用語から「話さないことを選んでいる」などという誤解を招くケースがあることから、2018年に日本場面緘黙関連団体連合会から、DSM-5とICD-11の和訳を『場面緘黙』と改定を求める要望書を関連学会に提出しました。 そして ICD-11とDSM-5-TRでは「選択性緘黙」から「場面緘黙」と名称表記が変更されることになりました。今後は、日本の正式な文書においても「場面緘黙」が使用されるようになっていきます。 名称について 診断基準 DSM-5-TR(2022)では「場面緘黙」は不安症群に分類されています。下記が、DSM-5-TR の概念を踏まえた概要説明です。 ■特定の場面でのみ話せない 家庭などではごく自然に会話ができていても、学校や集団の前など特定の状況になると、継続的に声が出なくなる。 ■日常生活に支障が出る 学校での活動、友人関係、仕事などに影響が出るほど、コミュニケーションが制限される。 ■短期間の現象ではない 新しい環境に慣れるまでの一時的な沈黙ではなく、1か月以上続く状態として捉えられる。 ■言語能力の問題ではない 話せない理由が、言語の理解不足やその言語に不慣れであることによるものではない。 ■他の障害だけでは説明できない コミュニケーション障害や自閉スペクトラム症(ASD)などの神経発達症、統合失調症 だけでは説明できない。 DSM-5-TR では、ある社会的状況(例えば、家庭)では確立された話す能力を有する場合のみ場面緘黙と診断されるとする一方で、臨床の場で場面緘黙と ASD の併存が少なくないこと、また、言語発達の遅れや発話・社会的コミュニケーションの障害を併せ持つ場合もあることが示されていますが、これらの関連についてはまだ研究途上です。 とくに、ASD の特性によって話しにくくなっている状態を場面緘黙と捉えて ASD やその傾向を見落としてしまうと、ASD に必要な支援(コミュニケーション理解のサポート、感覚面への配慮、環境調整など)が受けられず、困りごとが改善しにくくなるため、場面緘黙なのか ASD特性なのか、あるいはその両方なのかを見極めることが重要です。 Helgesen et al. (2026)によると、場面緘黙のみの場合、家庭では自然に話せ、日常のやり取りや遊びも安定していることが多く、学校など特定の場面では継続的に話せず不安が高まると動作が固まることもありますがそれは一時的です。家庭でも話すことに苦手があったり、関わり方の特徴や感覚の敏感さ、こだわり、かんしゃくといった行動傾向が継続して見られる場合は、ASD などの神経発達症が併存する可能性があります。ASDをもつ子どもは、学校で不安に加えて社会的理解の難しさや動作の切り替えの困難が重なるため、フリーズやシャットダウンがより広い場面で起こりやすく、回復にも時間がかかる傾向があると考えられます。 (参考文献)Helgesen, I., & Nordahl-Hansen, A. (2026). Breaking with the Criteria: Selective Mutism and its Forbidden Connection with Autism. Research on Child and Adolescent Psychopathology. ICD‑10 (1992)の場面緘黙(F94.0)の診断基準には、広汎性発達障害(ASD)で説明できる場合は診断しないという記述があり、臨床的に ASD があると 場面緘黙とは診断しない運用が一般的でした。しかし、ICD‑11(2022)では ASD は除外基準として扱われておらず、場面緘黙と ASD の併存が可能であると整理されました。 診断基準 場面緘黙の分類 場面緘黙は、医学・法令・学校教育で、分類が異なります。 ・学校教育においては「情緒障害」に分類されており、「特別支援教育」の対象です。 ・医学的には「不安症群」に分類されています。 ・法令上は「発達障害者支援法」の対象として省令に含まれています。 ・「障害者差別解消法」によって、学校や職場に対して「合理的配慮の提供」の義務が明確に示されました。 場面緘黙の分類 発症率と発症時期 調査によってばらつきがあり、0.03~1%の間でとされています(APA,2013)。アメリカのマスコミは0.7%という調査結果をあげることが多いようです。近年わが国で行われた大規模な調査では,0.21%という数値が報告されています (梶・藤田, 2019) 。 発症は、通常5 歳未満で、社会的な交流や発表などの機会が増える入園入学後に、症状がはっきりしてきます。ほとんどの報告で男児よりも女児に多くみられますが同数という調査結果もあります。 発症率のばらつきは、地域差だけでなく、調査方法(調査対象・場面緘黙の定義とその解釈・除外診断の有無)や人前で話さないことを問題視する文化かどうかも影響するのではないかと思われます。 発症率と発症時期 場面緘黙症状の程度 場面緘黙児の状態は多様です。家庭でも家族以外の人と全く話せない子どもや、学校以外(登下校中やおけいこごと、店など)でも話せない子どももいます。学校で、友達と話せるが先生とは話せない子どもや、発表はできる、先生とは話せるが友達とは話せないなど、様々な状態の子どもがいます。また、発話だけでなく、園や学校で動作の制限や抑制がある子どももいます。 大人しい子どもと場面緘黙の子どもの境界は明確ではありませんが、「発話の程度」と「発話できない期間の長さ」で区別されます。「園や学校のクラスで、発表や音読ができない」「園や学校で、友達と話せない」「園や学校で先生と話せない」のいずれかが続く場合、場面緘黙の可能性があります。 診断基準にはあてはまらないケースであっても支援が必要です。小さな声でなら話せる場合や少し話せている場合、かえって理解や支援が受けにくく、症状の悪化や他の症状発現のリスクが高まります。大人しい子どもや発話が少なかった子どもが、クラスでの孤立や不安の高まりによって小学校高学年以降に場面緘黙が出現するケースもあります。 ■発話行動のアセスメント 場面緘黙症状の程度(発話できる範囲とその程度)を測定する場面緘黙調査票(SMQ-R) をご活用ください。 発話行動が、どの場面でどの程度できているかを測定できます。誰とどこで、どんな活動で話せるかをしらべましょう。 ■園や学校における発話以外の行動のアセスメント 場面緘黙児は、園や学校で話せないだけでなく、行動が抑制されている場合や動作の苦手をもつ場合があります。「学校での行動表出チェックリスト」 をご活用ください。担任の先生に「教師記入用 学校場面別 行動チェックシート」 に記入してもらいましょう。発話以外の行動ができにくい時は、まず動作へ配慮や支援が必要です。 場面緘黙症の程度 発症要因 場面緘黙をもつ子どもの状態やその背景は多様です。発症要因は単一ではなく、生来的な気質や神経発達、環境など複数要因から生じるとされています。子どもによって異なる要因で症状が形成され、異なる要因で症状が維持されます。 不安になりやすい「行動抑制的な気質(Kagan)」との関連が指摘されています。入園入学や転居などの急激な環境変化、発達面のかたよりや苦手領域、回避行動を助長する環境要因などが影響します。社交不安や分離不安など、他の不安症を併せ持つことも多くあります。 視覚(斜視や遠視)や聴覚(中耳炎・難聴・その他の聴覚障害)の問題、身体疾患への治療やケアも見落としのないようにしましょう。聴覚遠心性神経活動(話す時に自分の声と周囲の音を調整する働き)の異常がある子どもが含まれるという研究報告があります。DSM5-TRでは「臨床の場では場面緘黙と自閉スペクトラム症の併存が多い」「言語発達遅滞や発話・社会的コミュニケーションの障害などを併存する場合がある」ことが記されています。 神経発達障害やその傾向がある子どもに対して適切な環境調整や対応がなされない場合、さまざまな症状が生じます。これらの症状の一つとして場面緘黙の症状が生じることがあります。自閉スペクトラム症やコミュニケーション障害(言語障害、語音障害、吃音、社会的語用論的コミュニケーション障害)、発達性協調運動障害の併存は、話せない症状があるために評価が遅れがちになるため注意が必要です。神経発達障害の診断はつかない(いわゆるグレーゾーンの)子どもにも苦手領域への支援が必要です。 トラウマが場面緘黙の原因であるというエビデンスはありません。トラウマ性緘黙や失声症、反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)が疑われる場合は、場面緘黙と区別して支援する必要があります。 ただ、 トラウマ体験や幼少期の逆境体験が、場面緘黙症状を持つ子どもの状態に影響しているケースもあります。また、周囲の理解やサポートがえられず、無理解による大人の叱責、クラスでの孤立などがおきると、場面緘黙症状が固定したり悪化したりします。子どもがおかれている環境や子どもの状態に合わせた支援を行うために、教育や医療、福祉など各分野の機関の支援や連携が必要です。 発症要因 園や学校での支援 保護者の方はまずリーフレット を学校に持参し、スクールカウンセラーや担任の先生と話しあわれることをお勧めします。教育や福祉、医療など各機関にも持参し相談しましょう。 場面緘黙児が園や学校で困難なことは、発話に限りません。発話ばかりに注目せず、動作や非言語表出について十分な支援が必要です。ど のような支援があればその動作や行動ができそうか、それぞれの項目でできそうな参加方法を探しましょう。周囲の大人が、子どもができそうな選択肢を提案し、子ども自身が選んでチャレンジする方法をお勧めします。 園や学校と合意的配慮について話し合いましょう。例えば、歌や音読を評価する時は、筆記や指さしでの実施、クラスメイトの注目が少ない立ち位置・複数人同時での実施、別室でのテスト、家庭での録音や録画利用などを検討しましょう。 個別の指導計画作成がなされていない場合は、新学年に上がる際に、保護者が書類を作成して学校に提出するとよいでしょう。 園や学校での支援 本人の症状理解 大人になってから、自分が場面緘黙だったことを知ったという場面緘黙経験者の方が多くいます。場面緘黙の症状のために、能力や個性を学校という場で発揮できずつらい思いをしてきました。周囲から理解がえられず、理不尽な扱いに苦しんできた人も少なくありません。さらに、本人も場面緘黙という症状を知らず、症状と性格とを混同し、自己否定によって、傷つきを深めてしまったケースが多くあります。最近は経験者によるコミック本や 書籍が出版され、TVや新聞などのマスコミでも取り上げられるようになってきました。まず家族や教師が場面緘黙を理解すること、そして本人が場面緘黙について知識が得られるようサポートすることが大切です。 お子さんに、絵本「なっちゃんの声」や書籍「どうして声が出ないの?」 を読んであげましょう。親子で場面緘黙について話せる状態でない時は、家庭の棚に置いておきましょう。心理教育として、支援者といっしょに読むのもよい方法です。場面緘黙児は一人ひとり状態が異なりますが、話せない症状をもつのは自分だけでないことを知ることは、子どもの孤独感を和らげるでしょう。長期的な視野を持ちながら時間をかけて、しかしあきらめずに、子どもと共に場面緘黙と向き合っていけるようにしていきましょう。 本人の症状理解 場面緘黙症状形成のサイクル 場面緘黙症状がどのように形成されるかを示した図です。 子どもにとって高すぎる不安場面では、脳の扁桃体の警報器がなり、心臓がドキドキして不安が高くなりすぎます そんな場面で、人から質問されたり、話すよう言われても、子どもは発話できません。誰かが代わりに答えたり、相手が心を読んで応じてくれると、子どもは話さないで済むので一時的にほっとして不安が下がります。そのため「話さないでいる」という回避行動が強化されます。 しかし、一時的に不安は下がりますが、解決したわけではないため、「また失敗した」と自信をうしなったり、「また話せないかも」と予期不安を高めたりします。 発話を増やす取り組みで 大人の無自覚な「批判や否定」の声掛けが、子どもの偏桃体を活性化させます。不安が高すぎる場面で、「質問」したり「話しなさい」と言って、子どもが発話で答えなければ「話さないでいる行動」が強化されます。高すぎる不安場面で話すことを強要すると、このような悪循環のサイクルが繰り返され、話すことの不安を回避する行動が習慣のようになります。 発話を増やしていく方法 Knet2021 Knet2021 家庭の「発話の好循環」を家庭外へと広げていくために 発話を増やしていく方法 親の過保護やしつけなど「育て方のせい」と考えるのは誤りです。しかし、症状の改善には、保護者の理解や、子どもへの接し方の工夫は欠かせません。支援の基本は、楽しい活動の中で、発話を成功させ発話行動を強化することです。図のような「好循環」を、家庭内から家庭の外へと広げていきます。 家庭では「~しないと(-)で困るよ」という否定的声掛けでなく、「~すると(+)になるよ」肯定的な言葉かけを心掛けましょう。子どもが言った言葉を「繰り返し」してあげたり、話せた時に発話や発話の内容を「具体的にあげてほめる」ことが大切です。子どもは話すことに自信がつきます。 また、子どもの回避行動の後押し(イネイブリング)をしないように、子どもの発話の機会を作ることが大切です。家庭内やすでに少し話せる場面で「子どもが発話するまで5秒以上まつ」「うなずきやジェスチャーで答える質問を多用しない」ことに気を付けましょう。子どもが不安そうだからといって、子どもが何か言う前に、大人が代わりに対処したり、話したりすることを控えましょう。 家庭内での望ましい形でのコミュニケーションの行動を増やすのに、CAREプログラム というペアレント・トレーニングがお勧めです。 子どもとよりよい関係を築く時に大切な養育のスキルを体験的に学ぶことができます(CAREは、 すべての親や支援者に役立つプログラムであって、 場面緘黙児をもつ保護者に特化したプログラムではありません。しかし、保護者や支援者が子どもの自己肯定感を高め、フェイドイン法やエクスポージャー法をして子どもの発話をサポートするときに役立つスキルが学べます)。 また、場面緘黙をもつ子どもの中には、家庭でかんしゃくがあったり、言語表現の力が不足していたり、感情のコントロールの困難を抱えていたりするケースがあります。場面緘黙をもつ子どもの発話を、家庭から学校へと増やしていこうとするとき、家庭での良好なコミュニケーションが土台となります。 家庭が安心できる環境であることが大切です。そしてまた「安心して失敗でき、リカバリー体験を積める環境」であることが大切です。子どもの強みに注目し、子どもの好きなこと、できそうなことに、家庭内でも少しずつチャレンジさせてましょう。家庭で自分の思い通りにいかない時に、感情をコントロールしたり、気持ちを切り換えたり、適切な自己主張をしたり、家族と交渉したり、他の解決法を考えたりする経験を積めるようにサポートしましょう。 スモールステップで発話場面を増やしていく方法 スモールステップの実践は、「段階的エクスポージャー法」という行動療法や認知行動療法がよく用いられます。子どもにあ った環境が整い、子どもが新しいことに挑戦する準備が整ってから行いましょう。 段階的エクスポージャー法では、今話せている場面の「人・場所・活動」の3つの要素のうち、1度に1要素だけ、より不安の高い場面の行動にチャレンジし、少しずつ発話場面を増やしていく方法です。(「活動」「場所」「人」の順で変えやすい傾向があります)。不安が少ない場面から少しずつ話せる場所や人を増やしていき、家庭の発話を学校の教室へと広げるように支援します。どきどき不安きんちょう度チェックシート をご活用ください。 チャレンジしたい子どもの気持ちを大切に『楽しく・自信をつけながら・場数を踏む』ことが大切です。 発話を増やしていく方法
- SMQ使い方(非表示) | かんもくネット
かんもくネット Knet News 2011年10月 (2022年1月加筆転記) 2011年10月19日 SMQ-R (場面緘黙質問票:Selective Mutism Questionnaire - Revised)について ※ 質問項目は、Christopher A.Kearney,大石幸二氏監訳『先生とできる場面緘黙の子どもの支援』学苑社(2015)にも掲載されています。(2015.4加筆) SMQ-R は、保護者が16項目の質問に答えることで、子どもの場面緘黙の症状の程度を調べることができる「場面緘黙質問票」です。カルフォルニア大学のリンゼイ・バーグマン博士らが作成したSMQ(Selective Mutism questionnaire)17項目をかんもくネットが翻訳し、日本語版として16項目にしました。 翻訳は原著者のバーグマン博士の指示に従い、バックトランスレーション手続き(※注)を踏みました。 ※ 順翻訳は、英語が堪能な日本人3名(臨床心理士・場面緘黙に詳しい英国在住の者・翻訳内容に精通しないプロ翻訳者)が独立して翻訳したものを調和させ、最終的な翻訳版を臨床心理士が作成しました。これをバーグマン博士に送り、日本語が堪能なネイティブ英語翻訳者によって逆翻訳された後、バーグマン博士によって項目表現の等価性が確認されました。その後、日本において場面緘黙児をもつ保護者5名で使用し、日本の状況に合わない「ベビーシッターのうち少なくとも1人と話す」項目を、原著者と相談の上で削除することとしました。(※ 加筆2022年4月1日) 原版SMQは 3才~11才の子どもに実施され、尺度の信頼性と妥当性が確認されています(Bergman et al,2008)。 場面緘黙は、過去にはまれな症状とされてきましたが、近年の研究では0.7%とする研究(Bergman et al,2002;Elizur et al2003)もあります。これまで症状を測る標準的な尺度がなく、そのために発症率、状態像、治療の有効性等の研究にあたって、共通認識をつくることが困難でした。共通の尺度がなかったために、研究によって状態が異なる子どもを研究対象にしてる可能性があったり、効果があるとされた治療や取り組みであっても、場面緘黙の症状がどの程度軽減されたのか明確でないのです。 SMQ-Rの使い方 SMQ-Rは「幼稚園や学校」「家庭や家族」「社会的状況(学校の外)」の3つから構成されています。 子どもに場面緘黙の症状がある場合、保護者や教師は、「子どもが学校で話せないこと」だけに注目しがちです。しかし、「家庭や家族」「社会的状況(学校の外)」でどれだけ話せているかに目を向けることが大切です。下記のグラフは、場面緘黙の子どもの群と、場面緘黙でない不安症の子どもの群を比較したBergman et al(2008)の結果を、SMQの1項目の得点の平均値を割り出してグラフにしたものです。 [Bergmanら(2008)のSMQ(17項目)の数値から換算したSMQ-R(16項目)合計の平均値概算は、場面緘黙児は12点(学校1.8・家8.5・社1.7)。場面緘黙でない不安障害に当たる子どもの平均は、43点(学15.9・家14.5・社12.5)でした。] 場面緘黙の取り組みは、まず「家庭や家族」との発話を豊かにし、「社会的状況(学校の外)」でのコミュニケーションを広げ、それを「幼稚園や学校」の発話へと移していくことが基本です。時期をあけてSMQ-Rをつけることによって、治療や取り組みの進展状況を、保護者や援助者が確認することができるでしょう。 ただし、SMQ-Rは発話のみに注目した尺度であることに注意しましょう。場面緘黙の治療や取り組みは、発話のみに注目せず、子どもの不安の状態の注目することが必要だからです。子どもがその状況に楽しんで参加できているか、自由に動けているか、うなづきやジェスチャーなど非言語コミュニケーションができているか、筆談ができるか、(相手と直接話せていなくても)その人に声を聞かれても平気かどうか等、発話に至る前の段階に着眼することも重要です。 Bergman RL, Piacentini J, McCracken J.(2002)Prevalence and description of selective mutism in a school-based sample. J Am Acad Child Adolesc Psychiaty. 41,938–946. Bergman RL, Keller ML, Piacentini J, Bergman AJ.(2008) The development and psychometric properties of the Selective Mutism Questionnaire. J Clin Child Adolesc Psychol. 37,456-464. Elizur Y, Perednik R.(2003)Prevalence and description of selective mutism in immigrant and native families: a controlled study.J Am Acad Child Adolesc Psychiatry. 42,1451-1459.
- 書籍・動画 | かんもくネット
かんもくネットの書籍 場面緘黙支援の最前線 -家族と支援者の連携をめざして- 2017年7月1日発売 私はかんもくガール -しゃべりたいのにしゃべれない 場面緘黙症のなんかおかしな日常- 2015年2月上旬発売 どうして声が出ないの? -マンガでわかる場面緘黙- 2013年9月5日発売 なっちゃんの声 ー学校で話せない子どもたちの 理解のためにー 2011年1月20日発売 場面緘黙へのアプローチ ―家庭と学校での取り組みー」 2009年3月30日発売 場面緘黙Q&A ―幼稚園や学校でおしゃべり できない子どもたちー 2008年3月15日発売 動画資料 『場面緘黙に苦しむ君へ』(年齢が上の子や大人向け) 小3から9年間学校で話せなかったサキ君の動画(字幕みく)です。 youtubeへリンク 「場面緘黙を知ってください(4)」わかやさんプロデュース 動画後半には、場面緘黙成人当事者・経験者の方々の「思い」が収められています。 youtubeへリンク 「場面緘黙を知ってください(3)」わかやさんプロデュース クラスメート啓発のための動画です。 youtubeへリンク 啓発資料のひとつ「心の声が聞こえますか?」を動画にしました。 youtubeへリン ク
- リーフレットなど | かんもくネット
■リーフレット・提示カードについて 発送についてはこちら 【A】子ども支援用 場面緘黙リーフレット「子どもに関わるみなさんへ」2018.3公開 「ほんとはこんな気持ちだよ」「こうしてもらえるとうれしいよ」 場面緘黙の子どもたちが、どんな苦しみや辛さをかかえているか、知りたい、分かりたい、 理解したいと思う人たちが増えますように。 子どもの気持ちや困り感に寄り添った支援が広がっていきますように。 新リーフレット「場面緘黙を知っていますか?」は、そんな願いをこめて、保護者と教員と心理士が 力を合わせて作成しました。 学校や子どもセンター、教育・医療・福祉機関に行く際などに、このリーフレットをご活用ください。 下記PDFは、パソコンからダウンロードできます(黒枠の中の右上のマークをクリック)。ご自由に印刷してください。 できあがりは、A4の3分の1サイズ(3つ折り)です。 テキストです。ここをクリックして「テキストを編集」を選択して編集してください。 【B】青年・成人用 場面緘黙リーフレット 2015.10公開 場面緘黙の症状をもつ青年や成人が、教育や雇用の分野で、場面緘黙の症状を説明したり、 「合理的配慮」について話し合う時に使う資料としてつくられました 大学や専門学校、就労やアルバイト先、また医療や福祉機関でぜひご活用ください。 コミュニケーションを行う時にどのような配慮を得たいかを個別に書き込めるようにもなっています。 作成の主な協力者 経験者・・・ヨシム(工業デザイナー)、きらら☆(社会福祉士)、花散る里(ライター) 当事者・・・Kenta.M(大学生) 保護者・・・そらはは、ほーみー、みく、さくらば、はは 支援者・・・けいこ(臨床心理士) 下記PDFダウンロードできます。裏表ご自由に印刷し切りとってください。 できあがりは、A4の3分の1サイズ(2つ折り)です。(色の分かれ目で折るのではありません)2017.1.27 【 C】提示カード (名刺大) ※2025年4月リニューアルしました 医療機関を受診する際や、初めて会う人に場面緘黙の症状を理解して接してもらいたい時などにご活用ください。裏面には「イエス・ノーで答えられる質問」「筆談やメール」を用いるコミュニケーションをお願いする表記がありますが、「発話できそうな場面や症状改善のための発話練習中に裏面は使用しません」と表記しました。 (旧提示カード(2012年5月作成)は場面緘黙経験者で、工業デザインのお仕事をされている会員のヨシムさんが作ってくださいました。ヨシムさん、ご協力ありがとうございました) このPDF をクリックして、パソコンからダウンロード・印刷し、 ハサミでカットすれば、 ご自分でも下記のような名刺大の提示カードが作れます。 ■かんもくネット会員でご希望の方に、リーフレットや提示カードを発送します。 会員登録 後、お申し込みください。500円程度の発送協力金をお願い致します。 発送には2週間程度かかることがあります。余裕をもってお申し込みください。 差出人は「かんもくネット」ではなく、「Knet」で発送します。 リーフレットは計30枚まで(例:A子ども支援用15枚 B青年・成人支援用15枚)・提示カードは6枚まで それ以上の数の発送ご希望の会員は、お問合せフォームにてご相談ください。 ■保育園や幼稚園・学校など教育関連の方、「園や学校」宛てに無料で発送します。 園や学校以外の機関への発送については500円程度の発送協力金のご寄付をよろしくお願いいたします。 リーフレットお申し込みフォーム からお申し込みください。 発送には2週間程度かかることがあります。余裕をもってお申し込みください。 リーフレットは計50枚まで(例:A子ども支援用25枚 B青年・成人支援用25枚) ・提示カードは10枚まで それ以上の数の発送ご希望の場合は、お問い合わせフォーム にてご相談ください。 アンカー 1
- 寄付金のお願い | かんもくネット
寄付金のお願い かんもくネットは「場面緘黙」についての情報を多くの方に知ってもらう活動を行なっています。 会員でない方からの寄付金も歓迎いたします。 この活動にご賛同いただける方、ぜひご協力よろしくお願いいたします。 会員は年に一度寄付金のご協力をお願いします。 一口1,000円(一口以上何口でも可) ※寄附金控除の対象団体ではありません、 所得控除や税額控除の適用にはなりません事を予めご了承下さい。 ◆ ゆうちょ銀行 記号 14350 番号 7942 050 1 かんもくネット ※他銀行から振り込みの場合 店名 438店(ヨンサンハチ店) 口座番号 7942 050 かんもくネット ◆ paypal PayPalを通じて安全に寄付することができます(フォームは「請求先に配送」にチェックを入れてください) どんなに小さなご支援でも、大きな力になります。 寄付
- 会員状況・Knet事務局 | かんもくネット
会員状況 ◆2007年4月設立 ◆2024年4月 までの 会員登録数 2,850名 2024年4月より会員システムを変更しカウントしておりません。 ◆2022年7月から2023年6月までの寄付金総計 314,500 円 ご協力ありがとうございました。 ◆教育機関等への『場面緘黙Q&A』謹呈冊数117冊 (2008年10月現在) 謹呈先はこちら ※他にもKnet会員さんが直接持って行かれている機関もあります。 ■ Knet事務局メンバー ■けいこ(かくたけいこ) 小児科心理とスクールカウンセラーをしている兵庫県の心理士です (臨床心理士・公認心理師) 日本場面緘黙研究会 常任理事 PCIT認定セラピスト・CAREファシリテーター タッピングタッチ認定インストラクター・CCE JPNこどもヨーガ教師 ■みく ロンドン在住の元緘黙児の母親です。 海外支援団体との連絡などを担当しています。 イギリスの話題を中心にしたブログを書いています。 場面緘黙について考える-備忘録 ■みち 東北在住の元緘黙児の母親です。会計を担当しています。 ■さくらば 愛知県在住です。リーフレット送付を担当しています。 ■はるお 入会受付や掲示板関係の作業を担当しています。 ■流星 入会受付などの作業を担当しています。 ■なっつ 福島県在住のスクールカウンセラー (臨床心理士、公認心理師) かんもくグループ北海道の運営スタッフもしています。 ⊡ ハートランド 会計監査